おいしいケーキの生地比重を特許明細書から探る

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特許明細書には鉄板レシピが載っている?!

スポンジケーキに関する特許明細書を読んでいると、だいたいこんな流れになっています。

【背景技術】従来通りのおいしいケーキの作り方

【発明が解決しようとする課題】例)手間がかかって大量製造には向かない、材料の価格変動がある、作業者による品質のばらつき等

【課題を解決するための手段】【発明の効果】課題をどのように解決できるのか、発明にはどんな効果があるのか

ということで、特許明細書にはおいしいケーキを作るためのレシピが詰まっているのではないかと考えました。

ケーキに求められる食感の4大要素

ある特許明細書の背景技術から引用してみます。

ケーキ類に求められる重要な食感は、「ソフト」「弾力」があり、「口溶け」が良く且つ「しっとり」していることである。

続く部分を表にしてみました。

対応策 ソフト 弾力 口溶け しっ
とり
その他
ソフトで口溶けを良くする
ために卵や油脂量を増やす
× 生焼けや釜落ち※が発生
弾力を出すために
水分を減らす
× × ぱさついて口溶け悪くなる
食感をソフトにするために
生地比重を下げる
× × しっとりしなくなる
ぱさつく
※釜落ち:ケーキを焼いた後に、生地が縮まって中央部分などが凹むこと
引用元:ケーキ類製造用澱粉組成物およびケーキ類 -三菱化学株式会社

「ソフト」「弾力」「口溶け」「しっとり」この4つの要素をバランスよく兼ね備えるのは、ノウハウが必要というわけですね。

ここで、「生地比重」というキーワードが出てきました。ちょうと良い「生地比重」が、特許明細書には書かれているはず、と探してみました。

生地比重とは

「生地比重」とは、水(4℃)の比重1を基準としている時の生地比重を示している。
例えば、一定容積における生地の重量を測定し、それと同じ容積の水の重量で割ることで、得られた値を生地比重として求めることができる。

私もたまにシフォンケーキなどを作りますが、比重を気にしたことがありませんでした。

比重については、こちらにも詳しい説明があります。
均質なお菓子作りのためにー比重 株式会社マスダック

いくつかの特許明細書で、ケーキの種類による生地比重について数値を集めてみました。

種 類 比 重 会社名(リンク先は引用元特許)
ソフトクッキー 0.6-1.2 不二製油株式会社
スポンジケーキ 0.4-0.6 ミヨシ油脂株式会社
0.42-0.44 三菱化学株式会社
蒸しパン 1 千葉製粉株式会社
蒸しケーキ 0.5(軽い蒸しケーキ)
1.0(重い蒸しケーキ)
バターケーキ 0.9 不二製油グループ本社株式会社

実際に、パウンドケーキとシフォンケーキを作って、それぞれに焼く前の生地を測って比重を比べて、「これが比重4.0のケーキか~」と言いながら味わってみたい!
という気持ちがむくむくとわいてきたのですが、たまたま家には薄力粉がありませんでした。いずれ機会があればやってみようと思います。

パウンドケーキとアイスクリーム

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