揚げたても、後で電子レンジでチンしてもサクサクな揚げ物を実現するパン粉の特許明細書を読みましたので、パワポの図を使って解説します。
パン粉の製造方法-フライスター株式会社(特開2016-202142)
発明が解決しようとする課題
時間が経ってもサクサクなフライが食べたい!
フライを電子レンジで加熱した様子を図にしました。電子レンジのマイクロ波が具材の水分子に作用して振動・発熱します。
水蒸気となって、衣の中に吸収されてしまいます。これが衣のべたつきの原因です。
この発明では、穀物加工品を混ぜ込んだパン粉によって再加熱してもサクサクした食感を保ちます。
先行技術との差別化
特許明細書のチェック法のチェックリスト(例)の中で、、「先行技術の差別化はされているか」とあります。
【0010】でデュラム小麦粉を砕いたもの、【0011】ではコーンフラワー(トウモロコシ粉末)を混ぜ込む先行技術に言及されています。が、【0014】ではこれらの方法が電子レンジで再加熱したときにサクサクの食感を得られるようにしている反面、家庭で調理したときに仕上がりが固くなってしまうという欠点がありました。
【0019】によると、フライを揚げて油切りをして油が抜けたあとのパン粉には孔がたくさんあり、これがサクサクの食感のもとのようです。再加熱するとここに水分が入り込んでしまい、サクサクでなくなってしまいます。
発明の穀物加工品にも孔がありますが、パン粉よりも微細な孔なので水分が入り込みにくく、吸湿が遅くなるためサクサクが続くのです。
先行技術と比較して、以下の点を両立させていることで優位性があることが分かりました。
2.電子レンジで温め直してもサクサク
この他にもパン粉の製法の種類や、東西で好みが分かれることなど興味深いネタがありましたので、機会があればまた記事にするかもです。